自分がカフェインに対して過敏体質であるかどうか、気になる人も多いと思います。
また、「カフェインの摂り過ぎが命にかかわることがあるかも」と、心配する人も。
病院できちんと検査をしてカフェイン依存症と診断されたなら、少しは安心できるのですが・・・
カフェイン過敏症 病院での診断
カフェイン過敏症かどうかを調べてくれる病院についてですが、結論から言うと存在しません。
▼病院でカフェイン過敏症の診断はできない!
カフェイン過敏症は症状として確立されたものではなく、人それぞれが持っている「体質」に関係するものだからです。
しかも、カフェイン過敏症は命にかかわるものでもないので、病院で調べることはできません。
また医師に診てもらっても「カフェインに弱い体質なのかもね」と言われるくらいで、
「カフェイン過敏症」という診断名が付くこともありません。
カフェイン過敏症の検査
以上のことから、カフェイン過敏症を検査する病院もありませんし、診断を下す医師も存在しません。
もちろん病院以外でもカフェイン過敏症の検査をする方法はありません。
カフェイン過敏症の検査キッドに注意!!

「カフェイン過敏症を調べることができる検査キット」があると思っている方がいますが、それは間違いです。
検査キットでは体内のIgG抗体(後述)を調べることで、遅延型フードアレルギーを調べることができるという検査なのですが、
この検査は結果の正確性だけでなく、理論そのものが正確ではないことが明らかになっており、この検査方法の信憑性について医学界からは注意喚起が出されています。
特定の食べ物によって体内に生み出されるIgG抗体を調べることで、遅延型アレルギーの有無がわかるという検査方法です。
しかし、IgG抗体は健康な人の体内にも存在することが明らかになったことから、この検査で遅延型のフードアレルギーを特定するのはそもそも不可能である。
と、欧米のアレルギー学会は結論づけており、日本のアレルギー学会もこの結論を支持しています。
ですが、今でも遅延型アレルギー検査は「IgG食物過敏検査」と名前を変えて存在してます。
「過敏って書いている!カフェインアレルギーの検査もできるんじゃないの?」と思われる方もいると思いますが、
それは間違いです。カフェインは食べ物ではなく、成分の一つです。
「IgG食物過敏検査」は、あくまで特定の食べ物に関しての検査であって、カフェインの検査をするわけではありません。
つまりはカフェイン過敏体質かどうかの検査はできないのです。
結論として、カフェイン過敏症について検査する方法は現時点では存在しないのです。
カフェインアレルギーは存在しません!
カフェイン過敏症はあくまで「カフェインに弱い」だけであって、アレルギーには区分されません。
というか、そもそもカフェインアレルギーというのは存在しません。
※記事末に注意事項あり
「カフェイン過敏症とカフェインアレルギーが一緒」という方がいますが、明確に一緒ではないと断言します。
カフェインアレルギーはそもそも医学的にもありえない病態です。
ここまで違うの!?カフェイン過敏症とアレルギーの違い

カフェインの代謝は肝臓で行われます。カフェインの代謝に関わる酵素はCYP1A2です。
カフェイン過敏症の方は・・・
- 代謝酵素CYP1A2が遺伝的に少ない
- 他とは少し異なる構造をしている
などの事情でカフェインを代謝するスピードが遅い、あるいは代謝能力が低いため、すぐに代謝されずに交感神経に作用する時間が長くなるのです。
これがカフェイン過敏症の原因になります。
アレルギー反応とは、特定のタンパク質がアレルゲン(原因物質)になるために起こる生体の防御反応です。
体に侵入してきた特定のタンパク質に対して、体が「悪い影響を与える物質が侵入してきた!」と判断してしまいます。
すると体の免疫細胞は体を守るために侵入してきた特定のタンパク質に総攻撃をしかけます。
その攻撃の余波で自らの体にもダメージがあらわれます。
これがアレルギー反応であり、出てくる症状がアレルギー症状です。
カフェインはタンパク質ではないため、アレルゲンになりようが無いんですね。
つまりカフェインアレルギーは基本的には存在しないと断言できるわけです。医療従事者も同じ認識を持っています。
※以下に注意点があります
カフェイン過敏症とアレルギー反応とでは、医学的にみても人体の仕組み的にも作用がまったく異なっているのです。
以上のことから、検査キッドで検査してもカフェイン過敏症は診断することはできないのです。
検査キットでカフェイン過敏症が検査できれば本当はありがたいんですけどね~。
カフェインアレルギーに関しての注意点

世の中には非常に沢山の人が住んでいて、カフェインアレルギーの方も実は存在します。
散々「カフェインアレルギーは存在しない」と言ってたのにどういうこと!と思うかもしれません。
では、世の中に「水アレルギー」の方がいるのはご存でしょうか?

水が体に付着するとアレルギーの反応が出る。または、水を必要以上に摂取するとアレルギーの反応が出ることをいう。
水もタンパク質ではないため厳密にはアレルギーとは区分できませんが、
水の摂取や皮膚への刺激でアレルギーのような症状が出る方は確実に存在します。
水アレルギーの原因は、水に含まれる物質に体が反応してアレルギーのような症状が出ると言われています。
医学的に把握している水アレルギーの方は数十名ほど。
以上のことから、「水がアレルギーのような症状を引き起こすことは基本的にはない」という認識が定着しています。
カフェインアレルギーの方も数名ほどいたことがわかっていますが、
水アレルギーの方と同様に「カフェインとアレルギーは結びつかない」という認識が定着しているのです。

カフェインアレルギーの原因は、カフェインに体が反応してアレルギーのような症状が出ると言われています。
ただし、カフェインもタンパク質ではないため、一般的なアレルギーとは作用機序が違います。
ですが、カフェインアレルギーとして医師に正式に診断された方は、水アレルギーの方よりも少ないのです。
2003年までの例になりますが、カフェインの摂取によってアレルギー症状が出たという方は、医学書の文献上では4名しかいません。
ですので、現在において、もしカフェインにアレルギーがあるという方がいたら、
世界でも珍しい症例になって一斉に医学界で取り上げられる事例になるくらい稀なケースだと思ってください。
以上のことから、カフェイン過敏症に対して病院で診断を受けることはありません。
また、一般の病院でカフェイン過敏症の検査を受けることもまずできません。